イスラエル優勢か・イラン大規模攻撃:イスラエルへの反撃ロケット弾25発・負傷者なし 2025.6.18

Israeli Air Forces strikes in Tehran June 17, 2025 (photo credit: SECTION 27A COPYRIGHT ACT)

続くテヘランへのイスラエルの攻撃

イスラエルは、イラン、特にテヘラン上空を制圧したとして、6月16日(月)から、テヘランの軍関係、政府関係施設など80か所を攻撃。昨日は、イラン国営放送への攻撃も実施した。

その後、イスラエルはテヘランの指定した地域からの避難を警告した後、戦闘機50機で、その地域にあったウラン濃縮の遠心分離機施設と、武器庫への大規模な攻撃を行った。

イラン上空では、イスラエルのドローンも攻撃を行っており、今現在は、弾道ミサイルの拠点に焦点を当てて、攻撃と破壊を行っている。

www.ynetnews.com/article/sytfi067xl#autoplay

IDFによると、13日(金)以降、イスラエルが攻撃した地点は、イラン国内1100か所にのぼっている。

イスラエルの攻撃で、イランにどのぐらいの死傷者が出ているのか、イラン政府は数字を出していないが、ワシントンを基盤とする人権活動団体が発表したところによると、死者は、民間人239人、治安関係者126人を含む、少なくとも585人。負傷者は1326人となっている。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/israeli-strikes-have-killed-nearly-600-in-iran-rights-group-says/

新たに明らかになったイスラエルの攻撃前準備:レバノン、シリア上空もクリアに

sraeli Air Force navigator participated in the attack over Iran
(Photo: Israeli Air Force)

今回の戦争ではイスラエルが先制攻撃を行い、テヘラン元イラン領空の支配権を素早く確保したことで、これまでの戦果につながっている。それだけではない。

イスラエルからイランまでは、1500キロ(東京から鹿児島ぐらい)離れている。その間、レバノンのヒズボラ領域やシリア上空も通過しなければならない。

Ynetによると、過去10ヶ月かけて、イスラエル軍は、ヒズボラの進んだ対空攻撃システムを破壊していた。さらには、アサド政権打倒後、イスラエルはシリアの対空機能も効果的に破壊していたとのこと。

シリア北部にはトルコ軍が駐留しているので、トルコの防空システムにぶつからないようにして、イランへの情報漏れがないようにとの手配も行っていた。

これらの手配がなかったら、イスラエルの戦闘機がイランに入る前に察知されてしまい、テヘラン上空を支配していたとしても、戦闘機には危険になっていた可能性が高い。

それ以外にも、燃料の問題や、イランやそこに至るまでの間に故障する危険もあり、戦闘機のパイロイットたちは、相当なリスクと覚悟を持って出発したという。

しかし、以下の記事によると、イランへの攻撃に参加したパイロットは、イラン上空での抵抗が少ないのに驚いたと語っている。イランでは、戦闘機が発信しても、逃げていくのを目撃したとも証言している。

イランは、イスラエルの飛行機を撃墜したと主張したが、それは真実ではないとも言っていた。

www.ynetnews.com/article/bjyzjx07eg?utm_source=taboola&utm_medium=referral&utm_content=internal

イスラエル?親イスラエル勢力がイランへサイバー攻撃

イスラエルがテヘランへの攻撃を行っているのと並行して、イランでは深刻なサイバー攻撃が発生。イランのセパ銀行が麻痺して、もはやATMで現金を引き出せなくなった。

この銀行は、IRGCが、ミサイルや核兵器製造などに使う資金用に使っている銀行である。また、ガソリンスタンドでも障害が出ており、給油ができなくなっている。

www.ynetnews.com/article/bkxmqa0xgl

一方、イスラエルへのサイバー攻撃も700倍になっているとのことだが、IT先進国イスラエルは、それらを処理できているようである。

イスラエルへのイラン反撃ロケット弾25発・負傷者なし:帰国便第一便到着

イランからは、17日(水)に弾道ミサイル25発が発射された。18日(木)も時々サイレンが鳴っている。しかし、着弾の打撃や負傷者の報告はない。

www.timesofisrael.com/iran-fires-pair-of-overnight-missile-barrages-at-israel-khamenei-the-battle-begins/

イスラエル市民たちが、地下鉄駅などで、家族とともに避難し続けている様子が伝えられている。もうヘトヘト状態という人もいる。

ただ気になる情報が出ている。アメリカのメディア、WSJが、イスラエルのアロー遠距離迎撃ミサイルが底を突き始めていると伝えている。

airport in Larnaca, Saturday, June 14, 2025. (AP Photo/Petros Karadjias)

海外に足止めになっているイスラエル人は5-10万人もいると言われている。エルアル航空が、この人々を連れ戻す計画を発表。

18日(水)、第一便が、キプロスから、ベン・グリオン空港に到着した。

人数は不明だが、到着した人々は、できるだけ早く空港から離れるよう、指示されていた。

www.ynetnews.com/travel/article/rj0o32y4lg

石のひとりごと

先制攻撃で始まった戦争のせいか、イスラエルが優位に立っているような感じを受ける。油断は禁物である。何も失うものがなくなったイランが何をするかわからない。続けてとりなしていこう。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。