イスラエルがイエメン首都サナアの空港を空爆・空港は全壊 2025.5.7

A handout picture released by the Houthi-affiliated branch of the Yemeni News Agency SABA on May 6, 2025, shows smoke billowing at Sanaa international airport after Israeli warplanes struck Yemen's rebel-held capital Sanaa. (SABA / AFP)

イスラエルは、イエメンのフーシ派が発射した超音速弾道ミサイルが、5月4日(日)に、ベン・グリオン空港周辺に着弾したことを受けて、5日(月)、イエメンの主要港であるホデイダ港を空爆。港と、その近辺にあるセメント工場を完全に破壊した。この時の死傷者の報告は出ていない。

続いて6日(火)、イスラエル軍は、首都サナアの空港へ、アラビア語で、どの辺りを攻撃するかを地図で示して、ただちに避難するよう警告を出した。

そのわずか1時間後には、サナアの空港への空爆を開始。わずか15分で、イエメン航空の航空機7機のうち3機、滑走路、空港施設などを破壊し、空港はもはや機能できない状態になった。

空港だけでなく、発電所も攻撃したもようである。

空港長官は、Xにおいて、当面の間、すべての飛行機の発着を見合わせるとの投稿を出した。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/flights-to-and-from-yemens-sanaa-airport-suspended-following-israeli-attack-director-says/

フーシ派関連のメディアによると、この攻撃で、3人が死亡。38人が負傷した。以下のクリップには、現場のイエメン人(おそらくフーシ派)たちが、イスラエルやアメリカと非難する様子も含まれている。

空港が一つ全壊したのである。Ynetによると、この空港の損失は、5億ドル(750億円)以上にに上ると推測されている。

www.ynetnews.com/article/hjrnifueel#autoplay

イスラエルは、この空港がテロ組織であるフーシ派によって運営されており、武器を受け取る入り口になっていたと主張している。

攻撃による死傷者の数は、かなり抑えられている中、港と空港を破壊されたフーシ派は、今や補給路を失い、経済的にも枯渇するとイスラエル軍は語っている。

カッツ国防相らと共に防衛庁本部でこの攻撃を見守った、ネタニヤフ首相は、「イスラエルを攻撃する者は、その頭上に血が流れると、何度も言っていた通りである」と述べた。

また、フーシ派は、今、明らかに独自の力だけでは、イスラエルへの攻撃できなくなっていると述べ、その背後でフーシ派を支えてきたイランへの警告だとも述べた。

一方、フーシ派は、「イスラエル人たちは、シェルターに留まるべきだ」と述べ、攻撃を続ける意向を表明している。

www.timesofisrael.com/idf-completely-disables-houthi-controlled-sanaa-airport-in-strikes-on-yemen-capital/

大手国際航空会社は、ベン・グリオン空港への発着停止期間を、それぞれ、今週末から来週末までは、延長すると発表している。

www.ynetnews.com/travel/article/1jhr05g65#autoplay

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。