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アメリカがハマスと交渉:米国籍人質エダンさん解放へ
アメリカはここしばらく、アメリカとの二重国籍を持ち、ローンソルジャーとしてイスラエル軍に従軍していて人質になった、エダン・アレクサンダーさん(21)の解放について、ハマスと直接の交渉を行っていた。
結果、ハマスは、まもなく中東を訪問するトランプ大統領に対する好意を表すためとして、エダンさんを解放することに合意したとのこと。解放は、エダンさんが、拉致されてから580日目になる本日12日(月)と報じられている。
これに合わせて、エダンさんの両親と家族全員、米国務省人質問題交渉担当にアダム・ベーラー氏、またウィトコフ中東特使も、オマーンでのイランとの交渉を終えた直後の日曜夜、イスラエルに向かったとのこと。
以下のXには、エダンさんの母親たち家族が、母の日に息子であるエダンさんを迎えに行ける喜びを表明している。
On this Mother’s Day, it is my honor to travel with Edan Alexander’s mom Yael for reunion of her son from Hamas.
Thank you President Trump for your commitment to bringing all Americans home. @POTUS @SecRubio @SteveWitkoff ❤️❤️❤️ pic.twitter.com/UwcehqJ0xB
— Adam Boehler (@aboehler) May 12, 2025
ハマスは、トランプ大統領に、イスラエルに停戦を強要してもらう狙いがあるようだが、トランプ大統領は、戦争の終焉と人質全員の解放を強調しているので、今回のエダンさんの解放が、そこにむかっての突破口になる可能性も期待されている。
トランプ大統領は、停戦になる喜びの日になるかもしれないと喜びを表明。これまで仲介を務めてきたエジプトとカタールも、この動きを歓迎すると表明している。
イスラエルは微妙:しかしエダンさん解放には協力か
イスラエルは、アメリカがハマスと直接交渉をしていることは、諜報機関の調べで認識はしていたが、アメリカから、正式な連絡は受けていなかった。
ウィトコフ特使が、ネタニヤフ首相と、ダーマー戦略大臣にこの合意について報告したのは、この件が発表される直前の、11日(日)夜だったという。
現時点での情報ではあるが、エダンさんの解放については、見返りとしてパレスチナ囚人の釈放の要求はない。
イスラエル当局者によると、このことが成立したとしたら、それは、イスラエル軍が、強力な軍事的圧力をかけたことが、その大きな要因だと語っている。
ハマスは、アメリカとの交渉に先立ち、人質の59人全員解放と停戦について、受け入れる用意があると言っていた。
しかし、その見返りに、イスラエルが、イスラエル人を殺害した凶悪なテロリストを含む、大勢のパレスチナ囚人を解放することを要求していた。また停戦後には、ハマスの存在がガザに残るということである。
ネタニヤフ首相は、これには応じられないとして、逆にハマス殲滅にむけた準備を開始した。その後で、急に、トランプ大統領の中東訪問までは待つと、窓を開けた形であった。アメリカが交渉を進める背後で、大きな刀をふりあげて、決断をせまったということかもしれない。
ネタニヤフ首相は、エダンさん解放の際も、ガザでの軍事活動は続けると言っているが、まもなく解放に入る今、軍事活動は、緩めているとの情報が入っている。